温めるor冷やす
2022年5月2日
痛みのある場所を冷やしたらいいのか、それとも温めたらいいのか悩んだことがあると思いますが、基本的には、急性期は冷やし慢性期は温めます。
ケガをした直後から炎症の強い2~3日は、患部を十分に冷やすことで炎症反応(痛みや腫れ)を抑えることができます。筋肉痛のときは3~4日して痛みのピークを越えたら、温めて患部の血行を促すことで回復を早めますが、靱帯損傷や手術の後は2~3週間温めないほうが良いでしょう。また、痛みが治まってきたからと安心して患部を動かしてしまうと、炎症や痛みが再び現れ、より一層、回復するまでに期間を要してしまうことになります。慢性化させないためにも、焦らず治療することが大切です。
ケガをして『冷やす』とき、冷湿布をすぐ貼ればよいと思っている人もいますが、湿布(冷湿布・温湿布)は消炎鎮痛の効果が主で、患部を深部まで冷却する効果はありません。後で述べるようにしっかり、氷水などで20分程度冷やしましょう。その際、凍傷に注意して下さい。
応急処置
スポーツ中にケガをした際、その直後にいかに適切な処置を行ったかどうかで、その後の回復状況を左右する事があります。捻挫・打撲・脱臼・骨折などほとんどの外傷に対してRICE処置が基本になります。R=Rest(安静)、I=Ice(冷却)、C=Compression(圧迫)、E=Elevation(挙上)を意味します。いきなり、ケガをした部位に湿布薬を貼るのではなく、まず最初にこの処置をしっかり行うと痛みと腫れを抑え、回復を早めることが出来ます。あまりに痛みが激しい場合は、鎮痛剤を飲んで痛みを和らげても良いでしょう。この種の薬には、痛みを和らげるだけでなく、腫れをひかせる作用もあります。
R=Rest(安静)
患部をしっかりテーピングや弾性包帯(バンテージなど)で固定し、安静に保つことが大切です。腫れや痛みが強いときは骨折の疑いがあります。添え木(副子)などで固定しましょう。受傷した直後の『固定』『安静』を怠ると、損傷を悪化させ、回復を長引かせる原因になります。
I=Ice(冷却)
ほとんどの外傷で腫れや内出血を生じます。冷やすことでこれらを最小限に抑えることができます。ビニール袋に氷を入れ、患部に広い範囲に当てるのも良いのですが、足首や手首の捻挫などは、バケツに氷水を入れ、その中に直接足や手を入れて冷やすのも効果的です。(この際凍傷を起こさない様に注意が必要です)
C=Compression(圧迫)
圧迫も冷却と同様に腫れや内出血を抑えるのに効果的で、冷却の際同時に患部にパットを当てたり包帯を巻いて圧迫しながら行うと良いでしょう。この際、弾性包帯などをきつく巻きすぎないように注意しましょう。
E=Elevation(挙上)
ケガをした場所には、血液やリンパ液が集まってくるため腫れを生じます。患部を心臓より高い位置に置くことで解消されます。足首などの場合、寝るときに足の下にクッションなどを入れて足を高く保つようにしましょう。